仮定法 I wish の使い方。「今」「過去」「相手の行動」の3つで整理

目次
試験の前の日の夜。「ああ、もっと早く始めていれば……」と思ったことは、きっとあると思います。
この気持ちを英語で言うのが、仮定法の I wish です。ところが、I wish のあとの動詞は、なぜか過去形になります。学校で「そういうものです」と習って、そのままになっている人も多いのではないでしょうか。
「過去の話じゃないのに、なぜ過去形?」の答え
日本語で考えてみます。いま車がなくて、「車を持っていたらいいのに」と言うとします。「持っていた」と、過去の形になっています。でも、昔、車を持っていたわけではありません。昔の話ではないのに、過去の形を使っています。
「車を持っている」は事実。「車を持っていたらいいのに」は、事実から1歩離れた、もしもの話です。日本語でも、事実と違うことを言うときには、過去の形が出てきます。
英語も、同じ仕組みです。「これは事実じゃないですよ」と伝えるために、動詞を過去にずらします。

いまの事実がある場所から1歩だけ外に出て、「もし〜だったら」の世界をのぞいている。そんなイメージです。
では、ずらさずに I wish I have a car. と言うと、どうなるでしょう。「車を持っている。そうだったらいいのに」と言っているようなものです。持っているなら、願う必要はありません。願いの中に、事実の形が居座っていて、ちぐはぐです。
だから、wish のあとは、事実ではない形にします。この過去形のずれを、学校では「仮定法過去」と習った人も多いと思います。
願いは3種類。何を変えたいかで形が決まる
I wish の形は、「何を変えたいか」で3つに分かれます。British Council の文法ページも、この3つに沿って説明しています。
① いま叶っていないこと:wish + 過去形
「いま、遠くに住んでいる」という事実を、変えたい。「住んでいなかったらいいのに」と日本語でも過去の形を使うのと同じで、昔の話ではないのに、過去の形にします。live を過去形にして、事実から1歩離すからです。
② あのとき、こうしていれば:wish + 過去完了
「チョコを食べた」は、もう起きた事実です。英語では、これがすでに過去形(ate)なので、wish のあとに ate を置いても、ただの事実に見えてしまいます。そこで、さらに1つ前の時制にずらして、「あのとき、そうじゃなければ」と言います。過去の後悔は、過去完了(had + 過去分詞)で、学校で習う「仮定法過去完了」の形です。
③ 「やめてほしい!」:wish + would
日本語でも、「遠くに住んでいなければいいのに」と、「服を借りないでほしい」は、言い方が違います。前者は、いまの状態への願い。後者は、相手に向けた「やめて」です。
英語も同じで、相手が「やっていること」をやめてほしいときは、would です。形に迷ったら、何を変えたいかを先に考えると選べます。

雨が降ってほしい、も would で言える
「明日、晴れてほしいなあ」と、天気にお願いしたことはありませんか。人の行動ではないのに、「そうなってほしい」と思う。would は、腹が立つときだけの形ではありません。
British Council のページでは、wish + would は、人や物の行動にいらだつときの形として説明されています。その例の中に、こんな文もあります。
雨は「迷惑な人」ではないのに、「そうなってほしい」という気持ちを、would で言っています。
「空を飛べたらなあ」は、could
「空を飛べたらいいのに」と、子どもの頃に思ったことはありませんか。「できたらいいのに」と言いたいときは、wish + could です。
could は can の過去形で、ここでも「事実から1歩離れる」しるしになっています。トップの絵にある I wish I could fly も、この形です。
本気の「ああ、そうだったら!」は if only
「ああ、あのとき〜していれば!」と、胸が痛くなるほど悔やんだことはありませんか。そんな強い気持ちには、if only が使えます。
British Council のページでは、if only は、たいてい wish より少し強い気持ちを表す、と説明されています。後ろの形は、wish と同じ考え方で選べます。
I wish I were … の were って、何者?
I や he なのに、were が来る文を見たことはありませんか?
いまの背丈の話なのに、過去の形。しかも、I の過去形なら was のはずなのに、were です。「過去の話ではないのに」「was ではないのに」と、二重にふつうと違います。
この were は、英語の文法では、伝統的に past subjunctive(過去形の仮定法)と呼ばれてきました。ここでも「事実から1歩離れる」しるしなので、まずは I wish I had … と同じ仲間だと思っておけば大丈夫です。
ここで、ついやってしまう間違い
I wish のあとを、ふつうの現在形にしてしまう文があります。
過去の後悔は、過去完了の形(I wish I hadn’t eaten so much yesterday. のように)で言うのが基本です。「いまの話か、過去の話か」を先に決めるだけで、迷いにくくなります。
まとめ
- I wish のあとの過去形は、「いまの事実から1歩離れる」しるし
- いまの願い → wish + 過去形(I wish I had a car.)、できたらいいのに → wish + could
- 過去の後悔 → wish + 過去完了(I wish I hadn’t eaten so much.)
- 相手や物の行動への願い → wish + would(I wish you wouldn’t …、I wish it would rain.)
- if only は、wish より少し強い願い
「〜だったらいいのに」と思ったら、「今」の話か、「過去」の話か、「だれかの行動」の話かを考えてみてください。それで形が決まります。
あわせて読みたい:



コメント 0件 · 新着順
「〜だったらいいのに」を、英語で言ってみたい場面はありますか?
まだコメントはありません。最初のコメントを書いてみませんか?