rise と raise の違い。ペンが立つのと、ペンを立てるのは違う

左で太陽が山から昇り、右で棒人間が手を上げている絵。真ん中に「自分で? 誰かが?」の文字
目次
  1. ペンが立つのと、ペンを立てるのは、ぜんぜん違う
  2. 英語も、まったく同じ仕組み
  3. 迷ったら、日本語に「を」を入れてみる
  4. 「値段が上がった」と「値段を上げた」、どっち?
  5. rose って、あのバラ?
  6. raise は「上げる」だけじゃなかった
  7. 昇給をお願いするメール、どっちの単語を書く?
  8. ここで、うっかりやりがちな2文
  9. まとめ

授業中、先生が言います。

"Please ___ your hand."

空欄に入るのは、rise? それとも raise?

一瞬、手が止まります。rise と raise の違いは、英語より先に、日本語を見ると片づきます。

ペンが立つのと、ペンを立てるのは、ぜんぜん違う

机の上に、ペンが1本あります。

  • ペンが立つ
  • ペンを立てる

似ているけれど、別の動きです。「ペンが立つ」は、ペンが自分から立っています。もし本当にそうなったら、ちょっと怖いです。「ペンを立てる」なら、だれかがペンを持って立てているので、安心です。

「リンゴを立つ」とは言いません。「立つ」は自分でやる動きで、リンゴは立たせてあげないと立たないからです。だから「リンゴを立てる」と言います。

この「自分でやる」と「だれかがやらせる」の違いが、文法でいう自動詞と他動詞です。

  • 自動詞: ものが、自分で動く(ペンが立つ)
  • 他動詞: だれかが、ものを動かす(ペンを立てる)

日本語には、こんなペアがたくさんあります。

自分で動く だれかが動かす
ペンが立つ ペンを立てる
ドアが開く ドアを開ける
気温が上がる 手を上げる

下の段には、どれも「を」が付いています。

英語も、まったく同じ仕組み

rise と raise は、この日本語のペアと同じです。

  • rise = 上がる(自分で上がる)
  • raise = 上げる(だれかが上げる)

左に「rise = 上がる」として、太陽が山から昇る絵。右に「raise = 上げる」として、棒人間が手を上げる絵。2つの間に「〜を」の文字と矢印

太陽が昇るのは、太陽が自分で動いているので rise。手を上げるのは、あなたが手を動かしているので raise です。

EXAMPLEThe sun rises in the east.太陽は東から昇ります。
EXAMPLEPlease raise your hand.手を上げてください。

冒頭の空欄は、「あなたの手を上げる」ので raise でした。

英語は日本語ほど、きれいにペアが分かれていません。open のように、同じ形で両方に使える動詞もあります。rise と raise は、はっきり分かれている貴重なペアです。

迷ったら、日本語に「を」を入れてみる

文を見て迷ったら、日本語に直して、「を」が入るか試してみてください。

  • 「太陽が昇る」 → 「を」は入らない → rise
  • 「手を上げる」 → 「手を」がある → raise

「を」が付く相手(目的語)がいたら raise。いなければ rise。

rise は、人が「立ち上がる」ときにも使います。「立つ」も、自分でやる動きでした。

EXAMPLEShe rose from her chair.彼女は、いすから立ち上がりました。

主語が he / she / it のときは、The sun rises のように s が付きます。

「値段が上がった」と「値段を上げた」、どっち?

ニュースでよく聞く、値段の話です。

EXAMPLEPrices rose last month.先月、物価が上がりました。
EXAMPLEThe shop raised its prices last month.そのお店は、先月、値段を上げました。

どちらも「値段が高くなった」話ですが、見ている場所が違います。値段そのものが主役なら rise。「お店が上げた」と、上げた人に目を向けるなら raise です。日本語の「上がった」と「上げた」の使い分けと同じです。

rose って、あのバラ?

活用表に rose が出てきて、「バラのこと?」と思った人もいるはずです。形の変化も、ややこしいところです。

原形 過去形 過去分詞
rise rose risen
raise raised raised

rise は形が変わるタイプで、rose と risen を覚える必要があります。raise は、ed を付けるだけ。こちらは楽です。

EXAMPLEPrices have risen again.物価が、また上がりました。

rose は、花のバラ(rose)と同じ形です。花のバラは別の単語ですが、「rise の過去形は、バラと同じ形」と覚える手もあります。

raise は「上げる」だけじゃなかった

raise には、「上げる」以外の意味もあります。辞書には、たとえばこんな意味が載っています。

  • 上げる(手や物、値段や数量などを)
  • 育てる(子どもや家族を)
  • 調達する(お金などを)
  • 持ち出す、取り上げる(問題などを)
EXAMPLEShe raised two children by herself.彼女は、ひとりで2人の子どもを育てました。
EXAMPLEWe raised money for the school trip.私たちは、修学旅行のためのお金を集めました。
EXAMPLEHe raised an interesting question.彼は、おもしろい疑問を持ち出しました。

意味が増えても、後ろに「〜を」が来ることは変わりません。「を」が付いていたら、まず raise を疑って大丈夫です。

昇給をお願いするメール、どっちの単語を書く?

上司に「給料を上げてください」と言いたい。働いている人なら、一度は考える場面かもしれません。「昇給」は、アメリカとイギリスで言い方が違います。

  • アメリカ英語: a raise
  • イギリス英語: a pay rise(a rise)
EXAMPLEI asked my boss for a raise.上司に、昇給をお願いしました。(米)
EXAMPLEEveryone got a pay rise this year.今年は、みんな昇給しました。(英)

名詞になると、「上がる」「上げる」の感覚だけでは選びにくいので、セットで覚えておくと楽です。海外の人とやりとりするときは、相手がどちらの英語かを、ちらっと意識してみてください。

ここで、うっかりやりがちな2文

間違えやすい文を2つ、「を」テストで直します。

NGThe sun raised.「太陽が上がる」は、太陽が自分で動く話なので rise です。The sun rose. が正しい形です。
NGHe rose his hand.「手を」という相手がいるので raise です。He raised his hand. が正しい形です。

「手を」が付くなら raise。「を」がなければ rise。ペンの話を思い出せば、迷わなくなります。

まとめ

  • rise は「上がる」。自分で動く。後ろに「〜を」は付かない(rise – rose – risen)
  • raise は「上げる」。だれかが動かす。後ろに「〜を」が付く(raise – raised – raised)
  • 迷ったら、日本語に「を」を入れてみる
  • raise には「育てる」「(お金を)集める」「(問題を)持ち出す」の意味もある
  • 昇給は、アメリカ英語で a raise、イギリス英語で a pay rise

「気温が上がった」は rise。「手を上げた」は raise。身のまわりの「上がる」と「上げる」は、そのまま使い分けの練習になります。

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