高校生の英語多読は効果がある? 挫折した私が、効果を実感できたやり方

目次
英語の多読で、私は一度、挫折しました。図書館のレベル別の洋書(ラダーシリーズ)を、毎日1000語くらい。1か月くらい続けても、効果は感じられませんでした。
ところが、そのあとの留学で、本当に効果を実感しました。何が違ったのか。挫折した私が気づいた、多読を効かせるやり方を、高校生の人に向けて書きます。
1か月続けたのに、効果は感じなかった
毎日1000語くらいを、1か月くらい。ただ読んでいるだけで、結局、あまり効果がなかったと感じています。ただ、読むことへの抵抗はなくなりました。読み方も変わって、それがのちのち役に立ちました。
洋書の多読で身についた、「飛ばして、あとで推測する」読み方
図書館のレベル別の洋書を、毎日読んでいた頃の話です。最初は、ゆっくり読み進めていました。ところが、慣れてくると、分からない単語は飛ばして、あとで推測するようになったんです。
この読み方が、のちのち TOEFL で生きたと思っています。
挫折の原因は、レベル2でも、知らない単語だらけだったこと
レベル2でも、知らない単語がたくさんありました。それがつらくて、挫折しました。多読は「やさしい」英語を読む方法なのに、私には、やさしいはずのレベルがやさしくなかったのです。
難しいと感じたら、迷わず、もっとやさしい本に替えていいと思います。「こんなに勉強しているのに、この程度の本が読めない」と落ち込まなくて大丈夫です。力が足りないのではなく、本が合っていないだけかもしれません。

洋書のレベル2で、「こんなに勉強しているのに」と絶望していた
レベル別の洋書(ラダーシリーズ)を、ずっと、レベル1か2で読んでいました。ところが、レベル2でも、知らない単語がたくさんあったんです。
「こんなに勉強しているのに、レベル2すら分からないんだ」。当時の私は、そう思って、絶望していました。
多読って、そもそも何?
「多読って、よく聞くけど、辞書を引きながら読むのと、何が違うの?」と思ったことはありませんか。
多読(extensive reading)は、新しい言語で書かれた「やさしい」読み物を、たくさん読む学習法です。研究者の Bamford と Day(2004)は、「学習者が、新しい言語で、やさしい材料をたくさん読む、言語教育の方法」と定義しています。
辞書を引きながら、難しい文章を1文ずつ読むのとは、反対の読み方です。ポイントは「やさしい」で、難しい本を読み切ることではありません。
本当に効果を実感したのは、留学での毎日の論文読み
効果を実感したのは、留学したときです。留学中は、論文などを毎日読まされました。
図書館の洋書と、留学での論文。同じ「たくさん読む」でも、違いが1つありました。読まなければならない、というプレッシャーです。
多読の研究でも、授業の一部(カリキュラム)として行う多読は、効果が高いと報告されています(Jeon と Day, 2016)。「やる気が出たら読む」より、「やらなければいけない環境で読む」ほうが、効果が出やすいと思います。高校生なら、授業の課題で読む英文や、先生が出す長文が、近い環境かもしれません。
留学で毎日読んだ論文は、調べて、自分なりに解釈する読書だった
留学中は、論文などを、毎日読まされました。知らない単語は、自分で調べます。自分なりの解釈で文法を補いながら、宿題を進めなければなりませんでした。
「やさしい」読み物ではないので、定義とは違いますが、あれも多読だったと思っています。宿題というプレッシャーが、よかったのかもしれません。このときに、本当に効果を実感しました。
多読を続ける3つのコツ
私の失敗と成功から、高校生におすすめしたいコツが3つあります。
① 「やさしすぎる」くらいの本から始める
知らない単語が多くて止まってしまうなら、レベルを下げましょう。最初は「こんなにやさしくていいの?」と思うくらいで大丈夫です。少しずつレベルを上げていけばいいのです。
② 友達と、いっしょに読む
多読は、友達など、だれかといっしょにやるほうがいいと思います。読書はつい、ひとりでやりがちですが、だれかといっしょのほうが続けやすいです。
たとえば、同じ本を、友達と同じ週に読む。読んだ範囲を、お互いに報告する。これだけでも、「やらなければ」という、ほどよいプレッシャーが生まれます。
③ 紙の本で読む
スマホで読むか、本を買うか。英語の本を読もうとするとき、迷ったことはありませんか。
私は、紙の本をすすめます。「電子より、紙のほうが、勉強のスイッチが入る」という話を、聞いたことがあるからです。紙と電子の読解を比べた研究では、紙のほうが、わずかに有利と報告されています(Delgado ら, 2018)。ただし、これは多読の研究とは別の研究です。
多読より先に、教科書を完璧にしてほしい
多読の前に、教科書を完璧にしてください。
高校生や大学生は、教科書をないがしろにしがちです。でも私は、逆だと思っています。教科書の内容を全部知っている状態でなければ、自主学習をやっている時間がもったいないからです。授業と質問を、最大限に活用してください。そのうえで、次の2つも大事です。
- 知らない単語は、忘却曲線の理論に基づいて覚える
- 前に間違えたものは、100%できるようにする
いちばん最強なのは、教科書も、自主学習も、完璧にする人です。ぜひ、それを目指してほしいです。
多読は、受験勉強の「置き換え」ではありません。教科書を完璧にしたうえで、「足すもの」です。
教科書を「くだらない」と感じたときに、思い出してほしいこと
高校生や大学生は、教科書を、ないがしろにしがちです。「くだらない、こんなことをやるなら、自分で単語帳を読んだほうがいい」。そう思ってしまうんですよね。
でも私は、逆だと思っています。教科書の内容を全部知っている状態でなければ、自主学習をやっている時間がもったいない。せっかく授業をとっていて、質問に答えてくれる人がいるのだから、それを最大限に活用するほうが先です。
多読の研究について
多読の研究が示している効果の大きさや、年齢による違い、本のレベルの選び方などは、別の記事で、原典を確認して詳しく解説する予定です。
まとめ
- 挫折しても、大丈夫。本が合っていなかっただけかもしれない
- 難しいと感じたら、迷わず、もっとやさしい本に替える
- 友達と、いっしょに読む。プレッシャーのある環境のほうが続く
- 紙の本で読む
- 教科書を完璧にしたうえで、多読を足す
英語の本が本棚で止まっているなら、今度はやさしい1冊を、友達といっしょに開いてみてください。
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